新住民がお茶の収穫をレポート 1




お茶刈りについて



刈り
写真1 機械で刈り取る
 お茶刈りというと手でつんで手で揉むと思っている人も多いと思います。
 童仙房の場合、煎茶を宇治茶ブランドとして品質にこだわった付加価値の高い茶を一般的につくっています。現在煎茶は、通常機械で刈りますが、童仙房の場合は茶畑が傾斜地にあるため2人ではさみを移動する写真1のような機械で刈っています。
 私自身このようにして茶を刈るということは童仙房へ来てお茶刈りのアルバイトをするまで知りませんでした。実際に刈る作業については、見てるときに比べてさらに大きなギャップがありました。重労働かというならそれは、上りながら刈るようなときや、茶園の長いすじを刈るときぐらいで、むしろ技能面が重要で、かなり熟練した能力を必要とし大変な神経を使います。例えば、芽のどのあたりで刈るのか、いかにまっすぐ刈るか、二人の呼吸をどのようにうまく合わせるか。なれないととても難しく、即収支に影響する重要な作業なのです。
            

              最近他の地方で平地に茶畑をつくり、コンバインのように乗用の大型機械で一気に刈っている地方もあります。そのようなところに比べると、傾斜のある山間地は、重労働で効率も悪くなってしまいます。
 作業ごよみとしては、5月の半ばくらいから小葉、続いて番茶、小葉から約45日で2番茶、収穫以外に管理として年間最低あと4回茶刈りをし、裾刈り、肥やり、(消毒)、除草をします。写真2は小葉の芽を写しました。このときの茶畑風景は言葉に表すことのできないくらい美しいものです。
新芽
写真2 お茶の新芽が美しい

運ぶ
写真3 刈り取った芽を運ぶ
 この葉(茶の芽)を写真1のようにして刈り取り、袋に集めてトラックまで運び(写真3)、トラックに積み、茶工場に運びます。袋は重いものなら40キロを超えるものもあり、傾斜のある茶畑で、袋をかついで運ぶのは大変しんどいものです。
 茶工場に運ばれた茶の芽は、ここでいわゆる揉むという作業をして、荒茶にします。
 茶は商品になるまでに、生葉(刈ってきた状態の茶の葉)→荒茶→煎茶という経過をたどるのですが煎茶にしあげる段階は通常茶問屋が行います。したがって、茶農家は荒茶までしあげるのです。

            




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