昔子どもだったおとなと今の子どもと未来の子どものための農業体験

 8月20 日、地域の役員たちで、堆肥をすきこんで土作りをし、畝をたてました。

 夏休みもほぼ終わりに近づいた8 月26 日、地域内外の子どもと大人、そして京大とがいっしょに、畑に作付けしました。

 この企画は、農作物(そして、そのいのち)が育っていく驚きといのちを育てる労働の喜びを、すべての子どもたちに知ってもらい、この経験を次世代の子どもたちに伝えていければという願いをこめて野殿童仙房生涯学習推進委員会が立案したものです。野菜作りを通じて身近な食生活に親しんでもらうことも目的のひとつです。

 その畑で、葉ボタン、キャベツ、ブロッコリの苗を植え、大根、白菜などの種を蒔きました。2日後には早くも種が芽を出し、雨が続いたことも幸いして順調に生長し、9月3 日には、1回目の間引きをしました。せっかく植えたのにもったいない、とも思いますが、間引かなければ収穫できないことを考えると、自然の摂理の厳しさ、同時に人間が生きることの意味に思いが向かいます。

 この畑では、農薬等を使う「普通の農業」と、農薬も化学肥料も使わない「自然志向の農業」とをエリアを分けて同時進行させています。農薬が是か非かというような単純な問題ではなく、命とは何なのか、生きるとは何なのかを、大地から学んでいきたいと考えています。

 この秋には収穫した野菜と地元のおいしいお米で、みんなで食事会をすることを楽しみにしています。

 なお、当事業は京都府の「地域発未来っ子応援事業」に応募しましたが不採択との通知をいただきました。どこからも資金は出ませんが、それでも是非という、地域と京大の強い意欲によって実現しました。また、大阪の生活協同組合「アルファコープ」も、隣りの畑で同じ取り組みをしています。生涯学習の活動の輪が広がることを歓迎いたします。今後の作業日程は以下の通りです。どなたでも参加していただけます。

(『風と雲の便り』第2号 より転載)

※2006年度は終了しました。