ナナと結婚して4ヶ月ほどたったころ。お盆のさなか。8月15日。
その日の夕方、私は部屋の中でナナとおしゃべりをしているときに、なぜかわからないけどふっと、目の前に、ご先祖たちがおおぜい現れました。不思議に思っていると、その中の2人か3人の方が、ナナのお腹に入りたくて、うずうずしているのがわかりました。その横で、長老とおぼしき方が、「今回は入る人が決まっているのだから」と、押しとどめていました。そして、「あなた達は、次の機会まで待ちなさい」とも。そのまわりで、たくさんのご先祖が見守っていました。そのとき、おもむろに、ひとりの方が、強い光を放ちながら、みんなの前へ進み出て来ました。
そこで、私の目の前に見えていたご先祖方は消え去りました。私は、びっくりして、ナナに、見えたままを伝えました。
それは、私たちが赤ちゃんを授かるという予告であるかと思われました。そのときナナは、まったく妊娠の兆候がありませんでしたが。
9月に入ってすぐ、ナナは生理がなかなか来ず、風邪のような症状も出てきて、もしや・・・と思いました。私がお盆に見えたことも頭をよぎって、さっそく妊娠検査薬を買ってくると、結果は陽性。その翌日、9月7日、産婦人科をさがして、診てもらいに行きました。やっぱり妊娠です。ナナも私も、うれしくって、うれしくって。
もともと子ども好きだった私は、自分の子が生まれてくれることが、信じられないくらいに、うれしかった。
ふっと気になったけど、タイミング的に、お盆のころに、お腹に入ってきたようです。すると、私が見たできごとは、錯覚ではなくて、まさに、これからお腹に入ろうとする瞬間だったようです。
順調に成長し、検診のたびに、喜びが増していきました。
10月5日、そのころ住んでいた家の隣の住人から、脅迫まがいのFAXがとどきました。ふだんから気味の悪い人で、そのFAXを見たとき、背筋がぞーっとして、身の危険を感じました。そのあたりのことは、ナナが書いています。
私はナナに、即座に「ここを出よう」と言いました。大きくうなずくナナ。引っ越すと言っても、あてはなし。でも、ここに居続けることが、こわかった。
その日の晩、というか、翌日の明け方、ナナは、夢を見ました。少女が、車にはねられて、即死するという、リアルな夢。
その次の日、ナナは、お腹が痛くなり、まもなく楽になったので、そのまま気にせず、2日後、次の検診日で産婦人科へ行きました。待合室で待っていた私が、診察室に呼ばれました。・・・・・流産・・・・・・
ははは、せんせい、なにゆうてんの。うそでしょう?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「心臓が停止しています」と、先生。
そんなことないよ、すぐに動き出すよ・・・
これまで順調に来ていたのに、なぜ急に?
母親(ナナ)が無理をしたとか、精神状態が変化したからという原因ではなく、赤ちゃんの方から消えていったという形の流産とのこと。
私は、赤ちゃんが去っていった悲しさよりも、ナナの体と心がとても心配になりました。
ナナは、その日、入院し、翌日、手術。胎児の亡きがらをとりだして、掃除します。手術が終わるまで、私は赤ちゃんが、生き返るものと信じていました。手術がおわったとき、赤ちゃんが去っていったことを、受け止めざるを得なくなりました。と、同時に、ナナの心が心配で、心配で。
こともあろうに、手術の4日後、私は骨髄移植のドナー(骨髄提供者)として入院することが決まっていたのです。
引っ越しがおわったころ、またまた、ナナの生理が遅れました。ナナは、「妊娠したかも」って、言っていました。産婦人科へ行くと、おめでたです。
なんとまぁ、引っ越し作業がおわった直後ぐらいのタイミングで赤ちゃんが戻ってきたのです。
でも、私たちは、流産が怖かった。9週目(前回の流産)を過ぎるまでは、ビクビクしていました。9週目を過ぎると、ナナの悪阻がひどくなり、赤ちゃんの成長を受け止めることができました。
それ以後、赤ちゃんは順調に成長し、きっちり、当初の予定日通りに生まれてきました。
あなたに会えて、よかった。
あなたは、私たちを選んで生まれてきてくれたんだね。
あなたが生まれてくれたことが、とってもいとしい。
ありがとう、ゴン太くん。(^_-)-☆