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絵本大好き

さんまいのおふだ

書名  : さんまいのおふだ
文   : 水沢謙一
絵   : 梶山俊夫
出版社 : 福音館書店
シリーズ: こどものとも 傑作集
タイプ : 日本の昔話・民話
ジャンル: おばけ、かいじゅう
ISBN  : 4-8340-0121-0

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書名  : さんまいのおふだ
文   : 松谷みよ子
絵   : 遠藤てるよ
出版社 : 童心社
シリーズ:
タイプ : 日本の昔話・民話
ジャンル: おばけ、かいじゅう
ISBN  : 4-494-00132-5

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モモのコメント:おふだに助けられながら、小僧が逃げる。

ナナのコメント:やまんばものだけど、あまり怖くない。


 同じタイトルのこの2冊、どうしてこんなにちがうんでしょう?

 私は、幼いころ、『食べられたやまんば』という絵本が大好きでした。やまんばが怖ろしくて、夜トイレに行けなかったほど。でも、その一方で、おしょうさんがかっこよくて、たのもしかった。いま、この絵本はなくなっています。そのかわりに、同じ内容の、『さんまいのおふだ』という絵本が、数種類あります。

 松谷みよ子さんの絵本は、私が読んだ『食べられたやまんば』にかなり近いです(絵はうんと違うけど)。それに対し、水沢さんの絵本は、印象が違います。この水沢さんの絵本を、私が買ってきて、その晩に、私はがっかりしていましたが、ナナは「こういう話とちがうの? こういうもんだと思うけど」と言っていました。でも、松谷みよ子さんの絵本を借りてきて読むと、ナナも言うことが変わったので、ふしぎです。

 こんなふうに書いてしまうと、水沢さんの絵本がまるっきりダメみたいに聞こえてしまうので、ちょっとフォローしておきます。方言の語り口に関しては、水沢さんの方が、うんと雰囲気が出ています。ただ、私は、「物語」をだいじにしたいので、どうしても松谷さんの方へ肩入れをしたくなってしまうのです。水沢さんの絵本は、どちらかというと、「物語」よりも「資料」といった方が近いかも。

 このお話で、いちばん大きなポイントは、「こわさ」だと思います。こわさが表現されていなければ、このお話の良さが見えてこないと思うのです。

 「こわい」というのは、だいじなことです。子どもにとって、ふるえるほど怖い絵本は、心を豊かにします。怖さをそいではいけません。そして、怖さの中から、ほんとの強さとか、やさしさとかが、見えてくるものなのです。

 水沢さんの絵本では、「やまんば」ではなく「おばば」となっていますが、おばばは妖怪ではなく、人間でしょう。「おにばさ(鬼婆)」と一度だけ書かれていますが、ほとんど「おばば」で通されています。やはり、人間のおばちゃんと印象づけられます。なぜ、人間が化けられるのでしょう?

 それから、水沢さんの絵本で、便所の神様がこぞうを助けてお札を持たせたのも、唐突すぎます。なぜ便所の神様がでてくるの? こぞうが逃げる場面も怖くないし、臨場感もイマイチ。

 松谷みよ子さんの絵本では、やまんばのこわさを、うんとひきたたせてあります。こぞうが逃げて帰ったとき、おしょうは、のんびり時間をかけながらこぞうを助けます。それは、こぞうが、おしょうの忠告を聞かずにやまんばのもとへ出かけていったから、おしおきの意味があったのでしょう。水沢さんの絵本では、そのあたりがまったく描かれていません。おしょうののらりくらりが、浮いているように思えます。

 松谷みよ子さんの絵本では、お札はおしょうが持たせたことになっています。だから、最後の、おしょうがやまんばを食ってしまう場面が生きてきます。

 松谷みよ子さんの絵本では、夜中にやまんばが、こぞうを食べようとして、包丁をといでいます。ぞっとするほど怖いですね。「こぞう うまかろ にっかにか。こぞう くいてや にっかにか」と包丁をとぎながら歌うやまんば。おとなの私もおしっこちびりそうです。水沢さんの絵本では、おばばがこぞうの尻をなめているだけ。なぜそれが怖いの?

 1歳半のゴン太くん、松谷みよ子さんの絵本は、何度も何度もくりかえして読んでくれって言います。どこにひかれたんでしょうね? 彼も、大人になって後も、私のように、この絵本が心に焼き付いているでしょうか?

 おしょうさん、武器や呪術を使わず、知恵だけで、おそろしいやまんばを退治してしまった。本物の正義を見る思いです。私が子どもの頃、おしょうさんのようになりたいと、つくづく思ったものです。

 それにしても、やまんばって、何でしょうね? 子どもを食べる(でも大人は食べない)婆さんで、人間が住むような家に住んでいて、いろいろなものに化けることができて、、、 妖怪の一種? うちの裏山にもいるのかな? あーごんごん。


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