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書名 :
やまんばの木 文 : 木暮正夫 絵 : 井上洋介 出版社 : 佼成出版社 シリーズ: 創作民話絵本 タイプ : ストーリーのある絵本 ジャンル: 愛と感動 ISBN : 4-333-01454-9 |
モモのコメント:人を愛し、動物を愛し、自然を愛するやまんばの気迫。
ナナのコメント:
やまんばと言えば、『さんまいのおふだ』です、私的には。
人の子を食っちまう、こわい妖怪です。
ところが、この本のやまんばは、子を守り、動物を守り、自然を守る。せつなく、あたたかく、大切なものを傷つける相手に怒る。いい話です。
行き倒れた女の人から赤ん坊をあずかり育てることになったやまんば。どうやって子育てしたらいいのか、皆目わからず、試行錯誤の四苦八苦。
お乳のでないやまんばは、クマにお乳を分けてもらう。やまんばは、手のかかる赤ん坊に、まいり気味。そのようす、ゴン太に振り回される私も、うんうんうなずくことしきり。「やまのすけ」と名づけられた赤ん坊は、だんだん成長して、やまんばに甘え、慕います。「やまのすけ」って名前、とってもステキですね。世間の人はどう思うか知らないけど、私には最高にかっこよく聞こえます。
ひとりぼっちだったやまんばは、やまのすけがなついてくれるのが、うれしくてうれしくて。子を持つ親なら、みんな同じですね、この気持ち。苦労して育てるほどに、かわいくってしょうがない。
ところがある日、事件が起きました。やまのすけにお乳をくれたクマが、鉄砲で撃たれたのだ。さむらいが、「しろの たてなおしに このやまの ふとい 大きな木が たくさん いりようなのだ」と言うと、「そんなことのために だいじな このやまの 木をきるだと? 一ぽんも きらせん。わしの いのちにかえても きらせん」と、やまんば。城よりも、クマや木の方が、はるかに大切なのだ。やまんばは、そう思っています。城の建て直しなど、「そんなこと」なんですね。ああ、なんか、胸の奥深くから、あついものがコンコンわきあげてくるみたいです。
そして、やまんばは大きな木になり、山の神になります。そして、すべての木と動物と鳥を守ると誓います。「やまのすけを そだててみて、そうせねば いかんと わかったんじゃ」
幼い子の母親って、環境問題や戦争に敏感になりがちです。うちのナナもそうです。子どもができてから、それまでとぜんぜん関心が変わりました。母性本能なのかもしれません。理屈でなくて、「この子を守るために、そうせねばいかん」と感じるのでしょう。
その後、やまのすけは、立派な若者になって、結婚し、子どもができ、その山で幸せに暮らしていきました。でもね、いちばん幸せだったのは、きっとやまんばだと思いますよ。うちの裏山にも、やまんばの木があるのかな。こんど、ナナやゴン太といっしょに、さがしてみようっと。
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