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童仙房物語

童仙房はこんなとこ



童仙房はこんなに高い

 京都府に村がひとつだけある。南山城村である。JRの関西本線と国道163号線が中心をつっぱしる。木津町や精華町にできつつある学術研究都市から東へ。後醍醐天皇で有名な笠置町のとなりである。そんなにへんぴなとことも思えないが、いちおう「村」なのだ。そして、この村の木津川より北側の山の上が標高500メートルぐらいのところで平らな高原となっていて、100軒ほどの家がある。ここを、童仙房、野殿という。

 童仙房は、明治になってから開拓されたので、人が住みはじめてからはせいぜい130年ほど。お茶作りがさかんで、昔はみんな農業やってたけど、最近は車が普及して、若い子たちは勤めに出て、ウィークエンド農家がふえた。車で10分か20分ほど走れば下界におりられるので、そんなに不便とも思わない。

 私は、1992年3月から童仙房に住んでいる。大阪で生まれ、学生時代は京都市ですごし、会社勤めもした。そして、一念発起、山へ移った。童仙房に知り合いがいたわけではない。ここが気に入ったので、何度も通って、田んぼや畑にいるおっちゃん、おばちゃんをつかまえて、「ここに住みたいんですけど」と言い続けた。たぶん、変なヤツと思われただろうけど、何度も通ってたら、本気だとわかってくれたらしい。土地を貸していただいて、プレハブを利用して、仮の家を建てて、どかたを3年やった。いま、仕事は定職につかず、こまごまとアルバイトしながら、ほとんど仙人の暮らし。

きりん

 童仙房は、自然がダイレクトなんです。どっちをむいても山山山山山…。クマはいないけど、野生のシカが家の前まで出てきたり、イノシシやタヌキが列を作って歩いていたり、クマ以外なら、どんな動物でもいる。て言ったら、「ほな、キリンはいるんか。ライオンはいるんか。ステゴザウルスはいるんか。火星人はいるんか」てつっこむ人がいるのよね、かならず。

 標高が高いから、寒い。雪はあんまり積もらないけど、冬は、しばしば氷点下10度まで下がる。家の中でも氷が張るよ。でも夏は、すずしい。真夏でも夜は、窓を閉めて毛布をかぶって寝る。まったく暖房がいらないのは7月と8月だけ。このぐらい寒いと、寒いことに感動する。つらいとは思わない。凍りつく冬も、ス・テ・キ。

不動の滝へ行く道

 夜は静かで暗い。山の夜は、シーン。月も星も出てない夜は、1メートル先も見えない。でも、月が出てたら、うんと明るい。都会に住んでたら、こんなに月が明るいなんて、わからなかった。都会よりも、500メートルほど空に近いから、手を伸ばしたら星に届くかと思っていたのだが、まだ少し無理なようだ。でも、星が手でとれるときがある。それは、7月のはじめ、一面にホタルが舞うとき。満天の星たちが、目の前に降りてきたかのよう。この光景、言葉ではあらわせないよ。不思議な世界にいざなわれる。

不動の滝

 山の暮らし、さびしくもないし、こわくもない。人間は、自然と闘い、あるいは、自然に勝とうとするから、自然を恐れなければならないんだ。ここに住んでたら、自分が人間なのか、山なのか、わからなくなるときがある。すると、山に対して、都会の人があこがれるような気持ちもないし、恐れるような気持ちもない。山が、そこにあるように、私も、そこにある。ただ、それだけのこと。

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