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童仙房物語/ひとりでボチボチ

こんな山やのにおおぜい来はる


車のイラスト

目のイラスト 雑誌と新聞にのっちゃった

 1996年の10月に、「これからハーブ植えるよ」と、読売新聞の京都版と毎日新聞の学研都市版に大きくのせていただいた。1997年の5月、「村おこしするよー」と2つの月刊誌に投書を送った。まさかホントにのるとは思ってなかったけど、7月のはじめ、そろってのっちゃった。それは、『田舎暮らしの本』と『自然食通信』である。

 とにかくすごい反響だった。まいにち電話や手紙がくる。私は外出がちだが、家にいる日は、たいがい来客がある。田舎で暮らしたいとか、別荘を持ちたちとか、農業したいとか、遊びに行きたいとか、子どもに自然の中で遊ばせたいとか、村おこしに参加したいとか、ハーブを見たいとか。いずれにしても、こういう雑誌を見て来る人は、真剣なのだ。遠く、千葉から来てくれた人もいる。こんなにも、都会の人たちが、せつじつと自然を求めているなんて、あらためてオロロいてしまった。

 7月14日、読売新聞の京都版に「ハーブが育ってきたよ」という記事が、これまたおおきくのった。問い合わせもあったし、電話をかけずに自分たちで見に来た人もいた。

ラベンダーでいいもの作っちゃおう

目のイラスト バーベキューパーティーをしてみたが

 こりゃ大変。何かしないと、と、あわててバーベキューパーティーを企画した。7月21日と8月3日、夕方からバーベキューをし、希望者はキャンプをしてもらおう。雑誌や新聞で問い合わせてくれた人たちだけでなく、そのほかにもかなり多くの人たちにお知らせし、100人ほど参加者があったらどうしよう、などと気をもんでいたが、けっきょく参加者は、ハーブ栽培のメンバーを中心に、1回目が18人、2回目が10人足らずだった。食中毒がはやっていたこともあり、屋外での肉料理が敬遠されたようにも思える。バーベキューの日は行けないがといって、ほかの日に、バラバラとおいでになる。

バーベキュー

 バーベキューの翌日、8月4日に京都府の『府民だより』に童仙房の不動の滝が美しく紹介された。地図も問い合わせ先も載ってないのに、すさまじい数の人が訪れた。日にちや場所を決めて企画するより、好きなときに来てちょーらいと言った方が、いいのかもしれない。

目のイラスト 村人たちが動き出した!

 こうして、雑誌や新聞にくりかえしてのるうち、村の人たちがその気になりだした。はじめは「ハーブ」といってもわからず、「ハーブってなんや? お茶にするんか? ほな、はぶ茶か?」といってた具合だが、たかがあのぐらいの面積のハーブ園で大騒ぎするとあって、それなら、来年から村の人たちの手でもっとたくさん植えてみようということになってきた。

 また、こんなに童仙房の自然がいいというのなら、休憩したり食事したりできるハウスを建ててみようかとも。

 有志を募って、「村おこし実行委員会」を発足させようという話がもちあがっている。

犬もびっくり

目のイラスト なんと多くの人が不動の滝へ・・・

滝

 私の家の前で車道はおわりだが、ここから山道を10分ほど歩くと不動の滝へでる。川の上流なのに、20メートルほどの落差があり、全面が一枚岩で、荒々しい滝だ。ここへ至る道は、木々の間を通っていて、夏でも涼しい。滝も、近づくと細かい水しぶきがとんできて、さわやかに心地よい。滝の中腹に、小さな不動明王の像が岩盤に彫られているそうだが、風化していて、確認できない。昔は、修行者が滝に打たれていたらしいが、今はそのような人もない。

 これまで、たまにこの滝を見に来る人もいたが、私の家のまえを通る人は、ほとんどなかった。我が家の犬が知っている人間は、私のほかは、郵便屋さんと、新聞を持ってくるおじさんと、ときどき散歩に来るおじいさんと、隣の家の犬好きのお嬢ちゃんぐらいなものだった。きっと犬は、この広い世界に人間は5人しかいないと思っていただろう。

車がびっしり

 8月3日にこの滝が府民だよりにのってから、とつぜん次から次へと人が訪れだした。狭い道にびっしり車が止まり、人がじゅずつなぎに歩いている。私も、家にいるときでも、ヘンな格好をしていられなくなった。人を見ると必ず吠えた犬も、吠えなくなってしまった。多い日は1日で100台ほどの車が来た。2週間で、300台、いや、もっと来ただろうか。1台に2人乗ってる車もあれば、10人ほど乗ってる車もある。だから、来た人の数は、1000人をこえるだろう。これはいったいなのごとなのだ。村の人たちも、ただおどろくばかり。

のどかな滝の風景

 滝へ行ったら、そのまま帰ってしまうのだが、やはり、休憩するところや、農産物をおみやげに見ていただける場所が必要だろうと、村の人たちはいちように思っている。せっかく来てくれた人たちに、もっとゆっくりしてもらえたら、いいんじゃないかと。童仙房には、不動の滝のほかにも、高麗寺やハーブ園やブルーベリー園や民宿がある。見渡すかぎりの茶畑や水田も、美しい。小川で遊ぶことだってできる。

目のイラスト 自然を求めるのは、まず自然を愛することから

滝へ行く道

 こんなにおおぜい来たわりには、落ちてるゴミは少ないようだ。でも、山道に、アイスクリームの入れ物や、お菓子の袋が捨てられている。親は、なにも言わなかったのだろうか。道々に、たばこが捨てられている。危ないじゃないのさ。消したつもりでも、枯れた草木に火が移ったらどうするの? コンクリートの上とはちがうんだよ。滝には、卵や生タコがお供えしてある。お供えしたら、あとは下げて持って帰ってほしいな。それにろうそくの火をつけっぱなしで帰る人がいる。どう考えているんだろ。

 人が来ることが、必ずしもいいことだとは限らない。いいことかどうかが決まるのは、来る人たちの「心」による。と、私は思っている。

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