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童仙房物語

童仙房のIT革命 テント、倒れる

このページにある内容は、1997年当時のものです。
掲載内容をもとに関係機関へのお問い合せ等はなさらないでください。

イベントの後、テレビ放送

 1997年9月28日、巨大テントを利用したフリーマーケットで、1000人を集めた後、その余韻はしばらく続いた。

冬の童仙房
冬の童仙房は静かだった

 朝日放送の「街かどチャチャチャ」は、11月1日。ほぼ1ヶ月後で、ほどよいインターバルだったように思う。45分間の番組は、まるごと童仙房。タレントの朝凪鈴さんが、当時私が作っていたホームページを見ながら、老人会の集まりを経由して私を訪ねてくるという導入。テントを譲り受けたいきさつから、テントの棟上げ、イベント準備と盛り上がり、イベント当日の盛況ぶりへとつづく。その途中で童仙房の自然や特産品の紹介をもりこむ。「私個人を主役にしないように」と要望していたが、やはり番組は私を軸に作られていた。都会から移り住んだ若者?が地元の人たちと一緒に地域作りをしていくというストーリーはテレビ向きなのだろう。

 放送で、まんべんなく童仙房を紹介しているのはさすがだと思った。かなり多くの人が、画面に登場している。放送の前日には、村の防災無線で、テレビ放送があることが村内に通知されていた。童仙房の多くの家庭では、自分や家族、知人が映っているのを楽しめただろう。童仙房ではその後しばらく、テレビ放送が、話題となったようだ。

冬の間、テントは

 つづいて何か動きを、という声もあったが、多くの人たちは、すでに終わったイベントとテレビ放送を話にネタにし、次のことを考えるにはいたらなかったようだ。田舎とは、そういうものだ。何かしたから、次々と動きが起きるものでもない。これは、イベント前からわかっていたこと。人によったら、「だから田舎では何もできない」と考えてしまうようだが、私は、そうは思わない。むしろ、ひょいと変わってしまうような変革こそ、頼りないものであるかもしれない。

 10年単位で見ていこう。10年後、私がここにいるかどうかはわからないが、そんなことは問題ではない。桃栗3年、柿8年。山に落とした種は、誰もわすれてしまったようでも、そっと芽を出し、野山の草木にまじってボチボチと生長し、幾星霜を経て、大きな木となり、実をつける。種を落とさなければ、始まらない。あわてて生長させようとせき立てるのも、詮無いことである。

 イベント後、テントはほとんどだれにも使われずにいた。大きなテントが、静かに立っていた。

 とりあえず、私は、おとなしくする。時のしからしむるのみ。

テントよ、おつかれさま

テント倒壊
雪の重みで倒れたテント

下界では サクラが咲いたね
雪の少なかったこの冬 それでも5センチの雪で きみはたおれたね
年が明けてすぐ あれだけ大きなからだ わずかの雪でも おもかった

その大きなからだで 奇跡をおこしてくれたね
こんな山の上 せまいみち 都の果て まさかの1000人
その日だけ 天気がよかったのも
むらの人たちが われをわすれて はしゃいだのも
しんぶんにたくさんのったのも
テレビで番組をつくってくれたのも
ここの米やお茶がおいしいと いってもらえたのも
なにより ゴミがおちていなかったこと
  ぜんぶ きみのおこした奇跡だと 信じてる

あの日が去って きみは有名になった
山がきいろくなって
木の葉が風に舞って
木枯らしが吹いて
凍てつく冬が来て・・・
じっとただずむきみは なにを思っていたか?

年があけてきみは たおれた
     力つきるかのように あっけなく

あれほどの奇跡を おこしたヤツが まさかこんなにあっけなく
村人たちは おどろいた
雪がふるのは まだこれからやぞ
春まで まつか

たおれたままの きみのすがたは むざんだった
いちばん人目につくところ
巨人が両手をついてたおれこんだかのよう

見慣れることのできる光景ではない
村人たちは きみの話をするのを 避けた
   むねがいたむから
   なのにどうしようもないから

テント倒壊
破れたテント

春をまえに 強い風が吹いた
ポールでシートがこすれてやぶれた
きみはますます 傷をふかめる
             哀しいの?

とうとうひとりの村人が言った
  テントをたたもうと

そんなことできるものかと いう人もいた
が−−きみの姿はあまりに哀しい
またイベントをするときには 修理して建てればよいと

区の役員が みんなでたたんだ
きみは青いシートにくるまれた
がらんとひらけた広場

そしてきみは いなくなった

ふりだしにもどったか?
いや、ちがうぞ!

おらたちは きみのおこす奇跡に頼らない(頼れない)
自分の足であるいてく(しかない)
まっしろのキャンパスに 自分たちで絵を描いていこう

たしかに 村人たちに そんな空気が生まれてきた
山の草花も芽吹くころ

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