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あるお坊さんの話

病原菌との仁義なき戦い 1

第1章 vre

 今日nhkスペシャルで、vreと言う存在を知った。

 vre・・・抗生物質耐性病原菌(現在あるあらゆる抗生物質に耐性を持つ病原菌)

かつて人類は、病原菌を克服すべく、抗生物質を開発した。そして一時は完全勝利宣言も発せられた。それは病原菌の細胞膜を形成するアミノ酸の分子構造を、病原菌側が変更しない限り彼らは抗し得ない、そんな抗生物質を人類は開発した。そしてそのことは彼らには不可能であろうと考えられていたからであった。しかし、病原菌はいとも簡単に克服したのである。むろんそこに至るまでにも数々の戦いの歴史はあった。

 番組では、ある国のvreに感染した女性を取材し、医師は彼女に対し新抗生物質(無認可、vreに効くであろうと思われている抗生物質)の投与をしたことを報じた。その女性のその後は知らされなかったが、おそらく現在も加療中であろう。彼女の成人した娘の、新薬に対する期待もひしひしと伝わってきた。現在、肺炎までもがvreとして再生し猛威を振るいつつあると言う。そしてこの事は、現在鳴りを潜めているあらゆる病原菌が、以前より強力な物となって再生する可能性を物語っている。また、国名は聞き逃したが、中耳炎で入院する子供が増加しているそうである。その中耳炎も、vreによってである。

 vre、それは人類が開発した抗生物質がなければ生まれてこなかった物であろう。病原菌に対し最終兵器と信じられ、感染者には当然のように投与され、老人ホームのケアに使用され、はては家畜の飼料にも混入され、そしてその肉を人間が食べる。私自身、抗生物質の恩恵にあずかったことは何度もある。人体やあるいは動物の体内で、病原菌は抗生物質と戦ってその耐性を備えたわけである。

 またmu3と呼ばれる、院内感染菌についても同様で、院内であらゆる耐性を備えた病原菌が、恐ろしいまでの感染力を示し我々に脅威を与えている。

 更に昨今(このことについては番組では取り上げていなかったが)、o−157が猛威を振るっている。以前民法のワイドショウで、単なる大腸菌がo−157に変貌するメカニズムを伝えていた。それは、赤痢菌と大腸菌が出会い、相互に情報交換をすると言うのである。そして単なる大腸菌は、ベロ毒素を出す遺伝子dnaを獲得するという。にわかには信じ難かったが、細菌学者がそういっている場面が映し出されていた。

 たった針の先に数億個といわれる病原菌、一体彼らに我々と同じ様な判断能力があるというのであろうか?どうもそれは否定してかかった方が無難であろう。ではこの事はどういうことなのであろうか?

第2章 医療の岐路

 仮に、新抗生物質がvreに効いたとしよう。人類は安堵を得ることができるであろう。しかし、病原菌は恐らくすぐに反撃して来るであろうことは容易に想像できる。人類の安堵は、ほんの一時的な物となるであろう。

 このまま病原菌に対し、抗生物質で戦いを挑み続けるならば、一体いつそこに終止符が打たれるのであろうか。永遠にそれはこないように思えるのは、私だけであろうか。

 医療の分野においてこれまで当然と思われてきた対処法が、今根底から覆されようとしている。

 中耳炎で入院する児童が増加しているその国では、今抗生物質の使用を極力控えようとしている。患者の母親に対し説明する医師、「今回は抗生物質の使用を控えようと思います。・・・よろしいですね」それに対しほとんどなにも言わず了承する母親の姿が画面にあった。

 抗生物質に対し反撃に転じた病原菌が、人類の生存に脅威を与え始めていることなど想像し得なかったであろう。まして、我が子の中耳炎にもその影響が及んでいることなど、思っても見なかった現実であろう。

 結果、中耳炎による入院は以前のように(いや、以前よりも増してかもしないが)、長引くこととなったのである。

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