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ボランティア体験記

骨髄移植体験記 その4

病室へもどってきたのは 2時前だったようだ。まもなく主治医の先生がやってきてくれた。手術は、腰の骨に小さなドリルで穴をあけ、針を突き刺して骨髄を採取するのだが、1カ所からたくさんはとれず、数十カ所穴をあける。しかも、わずかに皮膚を切開する。私の場合、1カ所からとれる量が少な目だったため、通常より多くの穴をあけたという。しかし、手術そのものは無事に終わり、私の骨髄が患者さんの元へ届けられたとのこと。そして、家で留守番しているつれあいに、FAXで連絡を入れてくださったとのこと。正直言って、昨日から今日にかけて、次から次へと検査やら説明やら手術やらが続いて、自分のことで追われていた。手術がすんだことで、流産したつれあいのことが、気になり始めた。

痛みは それほど激しくはない。手術直後の、猛烈な痛みは、たった1度の注射でおさまってしまった。ただ、時間がたつにつれ、腰のあたりに、鈍くて重い、どんよりとした痛みを感じるようになった。4時ごろだったと思う。看護婦さんが来て、尿道の管を抜いてくれた。うっっ!と言うぐらい痛かったが、抜いたあとはすっきりした。ベッドの上で、起きあがってみる。うん、なんとか、起きられる。トイレには、自分で歩いていく。

夕方、食事は ふつうに食べられた。私は、病気でもなく、ケガでもない。食事がふつうに食べられるのは、当たり前のことだ。なのに、ちょいちょいと、腰に針を刺したぐらいで、起きることさえ苦労する。鈍い痛みは、あいかわらず。でも、ずっと寝ているのはしんどい。夜、部屋の外の公衆電話まで歩いていき、つれあいと、私の親に、手術が無事すんだことを報告する。つれあいも、体を安静にしなければいけない状況。精神的なショックもまだ大きく残っている。それでも、私の無事を喜び、患者さんが良くなるといいねと、願った。

夜、痛みは あいかわらずだが、気持ちはすっかり落ち着いている。テレビを見たり、本を読んだりして過ごす。ふだん、本を読む時間がなかなかとれないので、いい機会と思い、読みたくて読めずにいた本を5冊ほど、持ってきていた。テレビは、あんまりおもしろくない。インターネットが生活の中心になってくると、情報を受け身にうけとることに物足りなさを感じる。入院生活は、時間を拘束されるようだが、ふだんできないことができる時間でもある。私は「拘束」とは感じない。

手術の翌日、 腰の痛みは少しやわらいだが、まだまだすんなりとは歩けない。食事はふつうにいただける。食欲は、大きくもなく、小さくもない。腰に痛みがある以外は、何もかもが、日常のままであるかのよう。昼過ぎ、つれあいが、見舞い?に来た。表面的には、落ち着いているように見えた。つれあいは、私を見て、「思ったより元気そう」と思ったという。ただ、私もつれあいも、申し訳なく感じたことがある。そのとき私は、病室の中で最も重病人らしく見えた。でも、私は、みるみるうちに回復し、明日には退院できるだろう。同じ部屋に入院されていた方たちは、そうではない。帰れる日が来るかどうかさえ、わからない人もいる。私がここで寝ていることさえ、イヤミなことなのかもしれない。

モモ 記

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