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ボランティア体験記

三国沖重油災害 ボランティアに行ってきました 2月8日

また今日も、石みがき 

 4日目。私の最終日。1日目と同じ、梶へ。

 午前中は、奥の海岸で、石みがき。やっぱり修行や。でも、文句言う人はいない。ひとりが1日で回収できる量は、たぶん1リットルあるかないか。でも、わすかでも、地球のために働いた。自分も、油を回収した。その気持ち。

 いつ終わるのかなぁ?この仕事。地球の広大さと、人間の小ささ。それでも、微々たる力なのはわかっちゃいるが、あきらめないで、進んでいこう。みんな、きっとそう思ってる。いいなぁ。来てよかった。まだ日本はつぶれないよね。


カニ飛びまーす! 

 午後からは、反対側の海岸で作業した。こちらは、まだ重油が多い。上の列の人が石についている重油をヘラでこすり、下の人に渡す。下の人は、ウエスでふく。

 私のとなりに、高校生の女の子が2人いた。横浜から来て、民宿に泊まっているという。学校は、入試や創立記念日やらで、5連休になるらしい。友だちはディズニーランドなんかへ行ってしまうが、自分たちはここへ来たくて来たんだと。そして、交通費や民宿代などは、自分のお金だという。ひとりの子は、ムリにアルバイトを休んでまで来た。よくしゃべる子たちだが、とてもよく働く。今日が1日目だというから、まだ要領がつかめていないだろう。自分のいっぱいいっぱいで仕事する。体が持つか?

 私たちは、上の列にいた。石をヘラでこするのだ。石を動かすと、フナムシやカニが出てくる。油で真っ黒になっているが、生きている。彼女たちははじめ、気持ち悪がった。
「そんなんいわんと、助けたりーさ」
と私がいうと、彼女たちは、フナムシやカニを手ですくって、後ろを向いて、下の列で作業してる人たちの間をめがけて、海に投げ出した。そのたんびに、
「ムシ飛びまーす!」「カニ飛びまーす!」
と大きな声でいう。それがおかしくておかしくて。

 「みんな、笑ったはんで」と私がいうと、

「黙って投げて、後ろの人の頭の上にカニがのっかっちゃったらどーするんですかぁ!」という。−−そんなら、こないだの竜巻はんも、「バケツ飛びまーす」って言ってくれたらよかったのにさ。

 そのうち、地元の漁師さんがやってきて、
「フナムシなんか助けてどーする! そんなもん、いくらでもいるわい! 死なせとけ!」
と言った。女の子は、負けてない。
「そんなこと言って、もし絶滅しちゃったら、どーするんですかぁ! 恐竜だって、そーやって絶滅したんじゃないですかぁ!!!」
漁師さんは、ひとことも返せなかった。

 私は、このやりとりに、むしょーにかんどーした。この地球を守るのは、神や仏じゃない。政府でもない。もちろんウルトラマンでもない。私たち自身なのだ。自分たちの星だ。自分たちで守らずに、誰が守ってくれる? 企業が悪いの、政治が悪いのと言うより、自分たちが動かなきゃ!

 私は、えらそーに、彼女たちに、ムシやカニを助けてやれと言った。でも、この地球を守ろうとする心意気は、彼女たちの方が、ずっと上だ。修行がたりん!


最後の夜、最後の酒宴 

 今夜も、福井青少年活動センターへ泊まる。青年の家に泊まった面々は、もうほとんどいない。残ったのは、5人。あとの35人は、新顔だ。明日は、私がいなくなる。青年の家での酒盛りが、盛り上がりすぎた。新顔は、中学生5人、高校生2人を含み、マジメでおとなしめの子が多い。ボランティアは、チャランポランではいけないが、まじめすぎるのも、続きにくい。「力を抜いて全力で!」という表現がふさわしい。

 私自身は、アツいのが好きだ。アツくなるには、力を抜く必要がある。青年の家の面々は、アツかった。5人の残党は、当時を(といっても2日前)なつかしんだ。ひとりが、寂しさにさいなまれていた。たった2日で、こんな気持ちを味わうとは...と。

 例によって酒盛りが始まった。始まったときに、青年の家のことが、思い出として封じ込められたことを、5人は悟った。新顔たちに酒宴をゆずって、私たちは早くに寝た。たまっていた疲れが出たかにも思えた。


バイバイ 

 朝、私は童仙房へ帰る。

 震災の時もそうだったが、ボランティアから帰るのは、つらい。私だけじゃなく、みんなそうだ。高校生や大学生ぐらいだと、そのつらさもひとしおのようだ。ボランティアでであった仲間たちは、それぞれに再会を誓い合う。でも、じっさいに再会を果たすのは、ごく一部だ。ほとんどは、一期一会。

 私たちは、自分の生活を持っている。それを一時期はなれてやってきたのだ。また、戻らなければならない。いつまでも、ここにいることはできないのだ。ボランティアから帰るのがつらいのは、きっと、人間の幸せに近いところにいるからじゃないかと思う。だったら、ボランティアの場の空気を、もって帰るべきだ。寂しがってちゃいけない。

 残党たちが、しきりに私をひきとめる。それをふりはらう。

 バイバイ、日本海。

モモ 記



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