そして、本堂へと向かう。
![]() 正月堂 |
笠置寺には、たくさんのお堂があって、どこが本堂か、ややもすればわかりにくい。弘法大師像からすぐ先の、正月堂こそが、本堂にあたるのである。正月堂の内陣には、後醍醐天皇のお位牌も見える。
正月堂
笠置寺本尊弥勒大磨崖仏の礼拝堂である。またの名を正月堂と言う。大平勝宝4年(752)東大寺実忠和尚が千手窟で修行の折感得された十一面観音をまつる。現在奈良二月堂で営まれるお水取りは第一回目この正月堂で営まれたものである。創立の建物は元弘の戦で焼失したが、室町時代東大寺貞盛和尚により復興されたのがこの建物である。
![]() 弥勒大磨崖仏 |
では、笠置寺の本尊はどこにあるのか?
正月堂横の、大きな大きな、岩に彫られた弥勒仏こそが、笠置寺の本尊である。見上げるような大きな磨崖仏であるが、残念ながら、表面は摩耗して、輪郭をとどめるのみである。
後醍醐天皇が鎌倉幕府と闘った際の火災が、摩耗の大きな原因とも聞いた。弥勒仏は、人間の愚かな歴史をつぶさにみてきただろう。我々に、どんなメッセージを発するだろうか。
弥勒さまとは、お釈迦さまが入滅されて(亡くなられて)から56億7000万年経つと、この世に生まれて、悟りを開いて仏となり、すべての人々を救うとされている。未来に仏になるということで、未来仏とも呼ばれている。
弥勒大磨崖仏
笠置寺の本尊仏であり高さ20米中15米の石面に弥勒如来が彫刻されていたが、前に建てられていた禮堂が三度の火災により焼亡。その都度石面も火にかかり仏像は磨滅してしまった。奈良時代、東大寺良弁・実忠両和尚の指導のもと大陸から渡来して来た人々によって彫刻されたようである。平安時代天人彫刻の仏として多くの人々の信仰を集めた。世に言う笠置詣りである。