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南山城村/2000茶摘みボランティア

第53回関西茶業振興大会審査報告

平成12年度 第53回関西茶業振興大会
(平成12年10月21日 宇治市文化センター)



ポスター

 第53回関西茶業振興大会は、8月1日(火)から3日(木)までの3日間にわたり京都府茶協同組合茶業センターにおいて、8府県から前年を大幅に上回る903点の出品を得て、盛大に開催されました。審査は26名の審査員により厳正に行われました。

 特に本年は、一番茶の萌芽が平年に比べて遅くなり、その後の気温も全般的に低めに経過したため生育は緩慢になりました。また5月に入り気温が高まり、芽の伸長が急速に進んだこともあり、茶生産農家の皆様には、摘取・製造に大変ご苦労されたことと思われますが、多忙な中で労を惜しまず懸命な努力の結晶を多数出品されたことに心から敬意を表します。

 審査の結果は、5茶種ともにそれぞれの特質を備えた優秀品が多数を占め、茶園管理から製造までの全課程で細心の注意と改善への努力が伺われるものでした。

 以下は茶種ごとに主査審査員のまとめに従って報告します。

[茶種:普通煎茶] 杉本主査審査員

 本年は490点と全体の半数以上を占める多数の出品がありました。下位を除き、上中位の格差は少なく、甲乙付け難い秀品が揃っていました。特に内質では煎茶特有の爽快感と新鮮味を感じるものが多くありました。下位に摘採の遅れに起因する欠点が指摘された茶が散見されましたので、適期摘採に一層の留意が望まれます。

 外観:出品点数が多かったため、上、中、下位の格差が大きく、例年よりやや見劣りする感じがありました。中位のものも良好でしたが、下位については、大形、赤黒み、不揃い、破砕のものが見られ、摘採の遅れに起因するものが多いようでした。製造技術の改善とともに一層の注意が必要と思います。

 水色:全体的に良品が揃っていました。上位のものについては、黄緑色で旨味を感じさせるものが揃っていました。中位のものについは、かぶせ風の水色のものが多く、下位については赤み、沈さ多しの指摘が散見されました。

 香気:上位のものは煎茶特有の爽快感とみる芽香が感じられるものが多くありましたが、やや葉いたみ臭、やや火香などが指摘されるものもありました。下位では硬葉臭、葉いたみ臭、むれ香、火香などの指摘が散見されました。

[茶種:深蒸し煎茶] 小笠原主査審査員

知事あいさつ

 三重県80点、愛知県5点の出品がありました。全体的には製造技術の向上がうかがわれ、特に上位のものは外観、内質とも優れたものが多く、レベルの高いものでした。

 外観:上位では、みる芽摘採で深蒸し煎茶特有のさえがあり、秀品揃いでした。中位においても上位との差は小さく、製造技術の高さがうかがわれるものでした。下位には粉が多いものや、破砕したものが散見されました。

 香気:上位には、深蒸し煎茶特有の芳香を有する優れたものが多く見られ、中位も良品揃いでした。下位には、やや委凋香、葉いたみ臭、火香等の指摘を受けたものがありました。

 水色:上位には深蒸し煎茶特有の旨味を感じさせる緑黄色の良品が揃い、中位においても上位との格差が少ない優れたものが多く見られました。下位には赤黒みやうすしの指摘が散見され、他に赤み、黒み等の欠点が見られました。

 滋味:全体的には、上位と下位の差が小さく良質のものでしたが、反面、天候等の影響からか、深蒸し煎茶特有の旨味が感じられないものも一部にありました。

[茶種:かぶせ茶] 中西主査審査員

 京都、三重、愛知、岐阜の4府県から、昨年を上回る79点の出品がありました。全体としては温和な内質を備えていました。上位はかぶせ茶特有の外観と内質を備えた秀品が揃っていました。下位に煎茶風のものと製造上から来る欠点のものが見られ、やや格差が見られました。

 外観:上位は形状、色沢ともに優れたものが揃っておりました。下位には大形、仕上げ風、色の浅いものが見られました。

 香気:上位は、すがすがしい覆香を持つすばらしいものでした。中位以下の格差はあまり大きくないものの、全体的にややうすく感じました。下位に煎茶風のものが散見されました。

 水色:上位は旨味を感じさせる水色を呈した秀品揃いでした。下位に赤黒み、青黒みの指摘を受けたものがあり、上位との格差が感じられました。

 滋味:全体的には温和な印象でした。上位は覆味とみる芽味が調和した良品が揃っていました。下位には、煎茶風のものや苦渋味を感じるものが散見され、上位との格差が認められました。

[茶種:玉露] 上辻主査審査員

 本年は三重県と京都府から90点の出品がありました。総じて、玉露らしい外観と内質を備えた優劣を付け難い秀品が揃っていましたが、若干上位と下位の格差が認められました。

 外観:上位は細よれで、色相は被覆茶らしい濃緑色の優れたものでした。しかし中下位には、被覆効果のうすいかぶせ風のもの、形状が破砕したもの、やや伸びを欠くものが目立ちました。また、生産時期の気象条件により、全般に光沢に欠けていました。

 香気:上位は、上品で玉露特有の旨味を感じされる芳香があり、極めて優れていました。中位には、一部火香の強いもの、硬葉臭や青臭のするものが散見されました。

 水色:上位には、明るい色調で、まろやかな滋味を連想させる乳白色の優れたものが多く見られました。中下位には、青みを帯びたかぶせ風のものや、うすいもの、黒み、青にごりのものが見られ、上位との格差が認められました。

 滋味:上位には、玉露らしい優れた覆味と旨味が感じられました。下位には、苦みや覆味不足のものが散見されました。

[茶種:てん茶] 木下主査審査員

茶摘み娘

 京都、愛知、三重から159点の出品がありました。本年は3月下旬から低温、乾燥気味で推移し、決して恵まれた気象条件とは言えませんでしたが、総じて良品が出品されました。

 外観:上位には、さえた青みで均一な色調のものが多く見られました。中位にも良好なものが多く見られましたが、一部に黒みの強いものが見られました。下位のものには、赤みや青黒みを伴う色調のくもったものが見られました。しかし、全体には揃いのよい外観でした。

 香気:上位十数点は上品な覆香を有する優れたものでした。中位も欠点を有するものは少なく、上位との差はわずかでした。しかし、下位には、青臭、湿り臭、火香のものが散見されました。

 水色:全般に良好で、てん茶らしい清澄なものが多く、優れていました。しかし、下位では、青黒み、青み、赤みを帯びたものがみられました。

 滋味:上位は、てん茶特有の覆味と旨味が備わった優れものでした。上位から中位にかけては大差はありませんでした。下位には、葉いたみ味、青臭味、火入れ味のものが見られました。全体的には、やや淡泊に感じられるところがありました。

 から色:全般に良好でした。特に上位は鮮緑色でさえがありました。しかし、下位では赤黒みや染まり不均一なものが見られました。



 審査終了後、擬賞会議を開催し、各茶種ごとの審査結果と「第53回関西茶品評会開催要領」に基づいて、会長賞、特別賞及び産地賞の選考を行い、別記のとおり決定いたしました。本年は大きな気象被害等も無く、全般的には優良な茶が生産されたものと思われます。長引く不況も影響して、上級茶の消費が低迷し、価格も抑えられる等、より良いお茶を生産しようとする生産者の熱意に水を差すような状況もありますが、それにくじけることなく、安心して飲める、美味しいお茶を作ることが茶業振興の根幹でありましょう。そのために日夜情熱を傾けておられる全出品者の皆様に敬意を表し、特に努力が実って、栄えある入賞を果たされた方々には心からお喜び申し上げます。僅差で入賞を逸しられた方々も落胆することなく、技術の改善に努めて、引き続き茶の品質向上と生産振興に貢献してくださいますようお願いします。

 終わりに、本大会・品評会の開催・運営に御尽力いただいた、京都府の関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。

平成12年10月21日
審査長 農林水産省 野菜・茶業試験場 茶業研究官 木下隆雄


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