森歩きの拠点は、高麗寺です。上の写真が本堂です。1978年(昭和53年)に、本堂ができました。
高麗寺は、日本に住む韓国人、または在日二世の心のよりどころとして開かれました。
なぜ童仙房で? 以前、管長に聞いた話ですが、奈良時代、平城京の頃、鬼門の方角(北東)に災いを鎮めるための寺院があったと韓国の文献に記されているそうです。そのことは、日本の文献には記されていません。管長はその歴史をたどって場所を探し、奈良から北東に当たる童仙房へ行き着いたのだということです。
それ以後、またたく間に広大な境内といくつもの堂閣をそなえ、隆盛をきわめています。
日本と韓国は、記録が残っているより古くから往来があり、朝鮮半島からすぐれた文化や技術が渡来人によって日本にもたらされました。それ以後、さまざまな歴史を経て、好悪の感情が入り乱れて現在に至っていますが、高麗寺は一貫して、日韓友好と世界平和を主張しています。
毎年、10月下旬に、高麗寺内の戦没者慰霊塔で慰霊大祭が催されます。その日は、韓国からも大勢来られます。南山城村からも、村長や地域の人たちが参加します。右の写真に写っているのは、韓国から来た子どもたちです。日本の国旗と韓国の国旗が並んで掲げられています。
「近くて遠い国」とも言われる両国が、ともに手を取り合って、未来を築いていくための橋渡しの役割を、高麗寺がつとめられることを願っています。
高麗寺は韓国の曹渓宗という宗派の寺院です。日本で、宗教法人格を取得しており、正式には「宗教法人曹渓宗総本山高麗寺」といいます。曹渓宗は、禅宗の系統で、日本で言うと、曹洞宗が近い宗派です。
高麗寺には、本堂の他に、山の上に山の神様をまつる山神閣があり、川端に水の神様をまつる竜王堂があります。自然を大切にし、自然とともに生きるお寺です。(右の写真は竜王堂)
では、高麗寺の歴史を、見ていきましょう。こちらへ。