座談会 「学ぶ原理~リョウシ(漁師×猟師)さんからみた森・里・海のつながり」

開催報告

日時:2010年12月25日(土)18:00~21:00

場所:旧野殿童仙房小学校(京都府相楽郡南山城村童仙房)

  お話:桑子敏雄さん(東京工業大学)

  司会:前平泰志教授(京都大学)

  ゲスト:NPO法人・環境文明21

主催:野殿童仙房生涯学習推進委員会

連絡先:京都大学教育学研究科 教育実践コラボレーション・センター O75-753-3075(担当・吉田)

※参加費無料!お気軽にご参加ください。お問い合せはこちらへ。

 2010年12月25日、「2010年度 野童いなか塾スペシャル」と銘打って、旧野殿童仙房小学校を舞台に、座談会「空間が豊かであるとはどういうことか」を開催しました。

 桑子敏雄先生をお招きし、NPO法人「環境文明21」さんもゲストに交えて、豊かな語りの空間が展開されました。

 

 (※当日は16時から、第6回野童いなか塾として「ソバ打ち体験」もあわせて行われ、少し早めの年越しソバを自分でつくることができました)

開催案内チラシよりご紹介

 グローバリゼーションの進展するなか、人々の暮らしはきわめて厳しい状況に追い込まれています。同時に環境もまたますます悪化していっていますが、残念なことに、私たちは、この環境の悪化と生活の質を同時に捉える知性と感性を十分に育ててきたとはいえません。
 日本の思想を現代に活かすために、西行・慈円・熊沢蕃山などの思想を検証し、「空間の豊かさ」という問題設定からローカルな知を創造しようとする哲学者、桑子敏雄さんは、また空間を貧しくするものと闘う実践者でもあります。
 ここには従来の「哲学」のイメージのように、何か生活からかけ離れたものではなく、それどころか哲学が、生きていくうえの必須で確かな根拠として使われていることに気づかれ、驚かれることでしょう。桑子敏雄さんの思想と実践は、また私たち地域を手がかりにするものにとって、あふれるほど豊かなヒントを示唆してくれることでしょう。
★桑子敏雄先生プロフィール
 環境・生命・情報などの問題にかかわる価値の対立・紛争を分析し、合意形成プロセスの理論的基礎を明らかにするための研究を行っている。理論面とともに、実践的に応用するための手法を開発すること、さらに、この課題を実現するために、日本・東洋・西洋の思想を問題解決のための知的資源として活用することも課題としている。また、ダム問題や地域づくりの合意形成プロセスの設計、運営、進行の実践経験も積んでいる。主要著作は、『環境の哲学』(講談社学術文庫)、『感性の哲学』(NHKブックス)、『理想と決断』『風景のなかの環境哲学』(東京大学出版会)など。
★NPO法人「環境文明21」の紹介
 環境への負荷が少なく、人々が心豊かに生きられる持続可能な環境文明社会の構築は、21世紀の世界的な最重要課題です。その実現のためには、価値観や制度的枠組みを含め、社会全体のあり様を市民や企業と一緒に全面的に変えていくことが求められています。環境文明21では、さまざまな切り口からそれらを追求するため、政策提言、調査研究、普及啓発、交流などに精力的に取り組んでいます。