ひとの気持ち



一見健康で既婚者の女性ならば「お子さんは?」とか「こどもできた?」
などと必ず余計な詮索をしてくる人って多いと思う。(私もそうだった・・)
本人たちの事情や状況など知るはずもないのに当たり前のこと
のようにきいてくる。


確かに、新しい命が生まれてくるというのは、端からみてもなんとなく
嬉しかったり、喜ばしいことだし、言っている人たちもそんなに大した
意味もなく、挨拶がわりや話のタネにでもということなのだろう。
でも、その大したことないことが、言われる本人からしたら、
崖から突き落とされるくらいショックな人や傷つく人もいたりする。


だからって、誰彼に文句を言えるというものでもないし、、自分だって
同じように知らない間にひとを傷つけていることってたくさんあると思う。


悲しいことや辛いこと、苦しいことっていうのは、経験した当の本人
でなければわからないことだし、その悲しみの感じ方というのも、
それこそ人それぞれだ。



それに「こども」のことに関していえば、流産経験者のみならず、
不妊治療をしている人や婦人病を患っている人、あるいは、
こどもが欲しくてもなかなか授からない人、なんらかの理由で
中絶の処置をせざるを得なかった人・・等各自いろんな
状況で、悩み苦しんでいる人もたくさんいると思う。


そういうことを知ったうえで、私だったら親しくしている人たちには
じぶんが流産したことをできるだけ言いたいし、また少なくとも、
同じような立場で苦しんでいる人たちの思いを聞いたり、
じぶんの経験を伝えることができる。


私はたとえどんなことがあろうと、自分の状況を卑下したり、
他人をうらやましがったりしたくはない。
周りや世間がなんと言おうが、私はわたしだもの。


自分の気持ちにできるだけ正直に、そして他人の痛みも常にわかる
ような人間でありたいとつくづく思う。





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