(1) 妊 娠


 流産後の妊娠については、病院からは「術後生理が1〜3回あってからのほうがよい」という説明を受けました。けれども、私も相棒もすぐにまた赤ちゃんがほしいということも特になく、「そのうち、ちょうどいい時にまた来るよね〜」と話し合っていました。それに私自身、気持ちの切り換えが早かったのか「妊娠したらできなくなることを今のうちにしよう!!」といろいろとやりたいことを胸にふくらませて、自然と流産のことを考えることも少なくなり、今まで通りに過ごしだしました。

 そんな中、今月の生理はまだかな〜…と思っていたら、また”もしかして妊娠?”というような兆候が見え始めました。もしこのまま妊娠していれば、術後2回の生理をみて妊娠したことになります。風邪気味だったということもあり生理予定日から十日後ぐらいに早速病院へ行くことにしました。病院で診察してもらったところ、やはり妊娠とのこと。胎のうも確認でき、6週目くらいのようでした。この時は、はっきりいって思いもかけず、もちろん嬉しいけれど、「こんなに早く〜?」という気持ちの方が強かったように思います。

 けれどもやはり前回のことがあるので、ごく身近な身内にも今回の妊娠のことを報告する気にはなれませんでした。実際、私の実家の両親に報告をしたのは、5カ月目の戌の日が近づいた頃でした。もちろん他の友人・知人などにも妊娠のことを積極的に報告する気はなく、近所の人にも外からみてわかるようになってから「実は・・」といって話していた気がします。

 それに妊娠がわかってからは、「今回もまた流産したらどうしよう・・・」という気持ちが常についてまわりました。まず前回の週数を越えること、そして安定期に無事はいること、胎動を感じられるようになること、22週を無事に越えること(22週を越えると万が一、母胎からでても生きていく可能性があるらしい)、、と一つ一つをクリアしていくうちに、おなかも大きくなってきて、やっと「不安がってばかりいるのではなく、もっと妊婦生活を楽しんで、赤ちゃんの力を信じてみよう!」と思えるようになりました。それでも検診にいって赤ちゃんの心臓が動いているのを確認しては、「あ〜よかった。生きていた。」って思いましたけど。

 精神的にはこんなで状態でしたが、赤ちゃんの方は順調に成長してくれているようでした。私の体の方は、妊娠初期は便秘や腰痛、中期からは貧血(以後産後も続く)、後期はむくみや糖、蛋白で検診のたびにどれかがひっかかっていました。それに、32週目頃に切迫早産ぎみといわれ、自宅安静になったときはさすがにハラハラしました。が、とくに入院するような大事には至らなく、無事に臨月を迎えることができ、あとはお産を待つばかりとなりました。ちなみに、むくみは減塩食を心がけていたけれど、なかなかおさまらず出産後まで長引きましたが、産後1週目を過ぎてからぐんぐんひいていきました。

 それから赤ちゃんにも母胎にも三陰交へのお灸がいい(寺子屋お産塾を参考にしました。)と聞き、6カ月にはいったころから出産前日までだいたい毎日お灸を続けました。本当なら鍼灸院にいってツボを確認してもらうのがいいかと思うけど、うちはたまたま相棒が体のツボに詳しく、お灸にもなれていたので、特に専門家にはみてもらいませんでした。

 そして、37週目にはいった頃から「いつ産まれてきてもおかしくない!」と先生に言われ続け、まだかまだかと待ちくたびれた頃、ちょうど予定日きっかりに陣痛がはじまりました。



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