はじめての入院
流産という事実を受け入れる暇もなく、自分たちの予定や病院側の都合もあり、
即日入院し、次の日に手術をすることになりました。
いったん荷物をとりに家に帰る際に、相棒と今回の件について話しました。
「今回は残念だけど、時期がちょっと早かったんだよね」「また、すぐにできるよ」・・・
と、自分でも不思議と冷静に話し考えていたように思います。
これまで大病や大けがをしたことのない私にとって、悲しいけれど今回が
はじめての入院と手術になりました。ほんとだったら、出産がそうだったのに・・・ね。
入院といってもたったの一日だし、手術もすぐに終わるようなものだけど、
とてもドキドキしました。私の通っていた病院ではみんな個室らしく、妊婦さんや
生まれたばかりの赤ちゃんを見る機会もなかったので、その点はよかったです。
食事も病人とは違うから、普段よりもいいくらいで、食べきれないほどでした。
看護婦さんは皆気を使ってくれてか優しく、元の担当だった先生も様子を見に
数回来てくれました。なんでも数日前に流産の手術をした人が眠れないと
訴えていたようで、精神的に落ち込んでないか、私のことも気にしてくれたようでした。
手術のことは妊娠を喜んでいた双方の親にもすぐに連絡しました。
みんな残念がっていたけど、わたしの体のことを心配してくれているようでした。
変な話、私の母親も流産を経験しているので、いつもより
ずっと身近に感じることができました。
ばいばい、赤ちゃん
手術は次の日の朝からということでした。そうすれば、お昼過ぎには帰れるとのこと。
手術がしやすいように、前日の夜、子宮口を広げるために棒みたいなものをいれる処置をしました。
「おなかが痛くなってきたらいつでも言ってください」と看護婦さんと先生に言われました。
しばらくは気を紛らわすためにもテレビを見ていたのですが、病院で毎日を過ごしている
病人さんはこんなものなのかな・・とか思いながら、寝ることにしました。
なれない病院と、ひさしぶりに1人で寝るのと、明日の手術のことを考えると
なかなか眠れません。明日には赤ちゃんはいなくなっちゃうんだなぁ〜、
ほんとに赤ちゃん死んじゃったのかな・・と思うと急に涙もたくさんでてきました。
夜中に腰が痛みだしたので、痛み止めの薬をもらいに看護婦さんのところへ行きました。
あまり眠れないまま朝になり、手術前なので飲み食いもできず、
前もって言われていた時間になったので、看護婦さんのところに行きました。
処置室のベットの上に寝て、看護婦さんが点滴や血液の中の酸素を調べる機械をつけたり、
麻酔(静脈麻酔)を打つたりするのを見ていました。。。
目が覚めて
処置は私の寝ている間に無事に終わったようでした。
手術が終わってから吐いたことや看護婦さんが処置室から個室に移してくれたことなど
とぎれとぎれに意識はあったのですが、目が覚めてから思うと、まるで夢のような感覚でした。
意識が戻ってきて、ちょっと立ち上がったりしてみたのですが、手術前となんら
変わった様子もなく、ただ変わったのは、私のおなかの中にもう赤ちゃんはいない、ということでした。
体の痛みもとくになかったので、中絶をするときもこんなかんじなのかな・・とか
本当に私の中に赤ちゃんはいたのかな・・とか、ばかな考えもいっぱい浮かんできました。。
帰る前に昼食を食べ、簡単な診察をうけました。先生の説明とともに、流産後の生活について
書かれている紙をもらいました。次の診察はとりあえず、明日来てくださいと言われました。
2.3日は安静にとのことで、相棒が迎えに来てくれるのを待って、家に帰りました。
もどる その4へ